『ゼロの航海日誌』
重責を解かれ、ようやく穏やかな日々を過ごせるはずだった。 ―また、あの少年か・・・ あの夢を見続けたしばらく後で、丁度、任期を終える間際に立ち寄ったとある惑星で、彼はひとりの少女と出会った。 その後、彼の見る夢から、“顔の見えない謎の少女”は現…
大気圏に突入した機体が、徐々に高度を落としていくと。 雲間から、鮮やかな色彩が見えてくる。 「ここからの眺めも、綺麗でしょう?」 そういう彼の言葉どおり。 “花の惑星”は、やがてその全貌を、余すことなく披露した。 “Planete de la fleur” その名の通…
僕たちは 今 伝説を目の当たりにしていた それは 遠く いにしえの昔話 などではなく この瞬間にも 五感の全てを通して 真髄へと 訴えてくる 生々しい 現実の出来事であり しっかりと 確実に 僕たちの中に 刻み込まれてゆく ひとつの新たな伝説の始まりと 終…
突如として、地球は謎の宇宙船団から無差別攻撃を受け、危機的状況となっていた。 先進各国の精鋭たちが、英知を尽くして極秘に進めてきたという、最先端のあらゆる手段を講じても、一向に歯が立たなかった。 もはや地球人類の滅亡も目前と、みなが諦観の境…
星の人人を守る任を与えられた精鋭部隊として。 彼らの大きな共通目標は勿論、“勝利を掴み取ること”で。 “この戦いに勝って、星の未来をつなぐこと”にある。 しかし、それだけでは、長くは持たないところもある。全てのものたちが、少なからず自身のものを何…
自分用設定資料なのですが、上げ晒しておく方がイメージしやすいかなと思いましたので。 しかし一回データ飛んで(先代PC)なくしてるので、ゼロ以外名前含めてかなり変わってしまっているのでご了承願いたい(分からんて)。 ・回収屋稼業チームメンバー・ ゼロ…
それは、ある時偶然に、見つけたものだった。 そして今も、時折立ち寄ってみることがある。 原点に立ち返るため、とでも言えばいいだろうか。 それが、とある惑星の一部だということに気がついたのは、碑文を見つけたからだった。 自身の知りうる言語ではな…
あの人は、そう、信じ続けていたけれど。 「今年も、蕾ごと落ちてしまいましたわ、ね」 まだ鮮やかに色づくそれを拾い上げて、短くため息をつく。 『彼らが咲くことを、諦めない限りそして、僕たちが、信じることを諦めない限り』 努力家の、彼らしい言葉だ…
あついあつい 夏は終わった いくつもの白い太陽が炸裂し 大地を赤く煮えたぎらせて あらゆるものを飲み干して いつしか空は 厚い雲に覆われて やがて雨が降り出した 毒のような色をした雨の矢が うねる大地に突き刺さっていくと みるみる闇に染めていった 冷…
約束の場所へ。 彼女は、ついに来ることはなかった。 何故ならば。 あの朝、突然にやって来た、見知らぬ少年に。 跡形もなく、連れて行かれてしまったから。 『あなたの、せいよ』 すべての意識が繋がったとき、最初に、彼女が発したメッセージだったそれは…
星の終わりの日が近づいていた。 彼は、今日も、空を見上げていた。 かつて、自分が降りてきた、空の上を、見つめていた。 彼がまだ、幼き少年であった頃。 あれからもう、700年という月日が流れていた。 それでも。 この星には、新たな主は生まれ育つことが…
船はやがて、ひとつの惑星を座標に捉えた。 「間もなく、目的地点に到達します。正面のモニターに画像が切り替わりましたら、一同黙祷をお願いいたします」 アナウンスの後、船体が徐徐に速度を落としていき、止まった。 モニターに映し出された星は、なんと…