彼の人は、大げさにため息をついて見せると。
「・・・全てが、想定を超えていますね―」
目の前に座る少女は。
「・・・いろいろ、ごめんなさい・・・」
そう言って、ばつ悪そうに視線を泳がせていた。
「まったく・・・貴女という人は―」
「―?!」
「かないませんね―」
ちょん、と。
手にした扇子の先で、軽く彼女の頭を小突いて。
「これ以上の無茶は赦しませんから―私自らが、監視して差し上げます」
その言葉に驚いて見上げると。
「・・・あ・・・」
その微笑は、彼女にとって何処か、懐かしさを呼び起こすものに感じて。
つられるように、彼女も笑うのだった。
実に長い時を掛けて。
彼女が導き出した、考えうる限りで最良の選択が。
「和議・・・??」
誰しもが無謀なことだと畏れ、また、ある時は、一笑に付されてしまうこともあった。
しかし、彼女は諦めなかった。
―だれも、これ以上、苦しまないために・・・
それは、自身も含めての、切なる願いでもあった。
さまざまの課題をなし終えて、ようやく、ここにたどり着いた彼女の中には。
揺るがない覚悟の思いが在った。
(仕上げはぴくしぶにて。いつかそのうちに)※希望は未定
※新団体設立なるか→「惟盛殿に勺(扇子)で小突かれ隊」